慶應通信Wiki
統計学
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*このページについて [#zd7a0c9b]
~テキスト科目統計学の解説を目的としたページです。
~秋山先生の統計学テキストは、非常によく練られている素晴ら...
*統計学の重要性 [#n18d0847]
~経済学部、一部の文学部の人にとって統計学は基本的で必須の...
~数学的なことは実は現代ではexcelが勝手にやってくれるので...
*基本的な考え方 [#qd683b84]
**手を動かす [#aa2b5ee6]
~各章の内容をある程度理解したら、練習問題を必ず解いてくだ...
**発展事項は飛ばす [#t9af95da]
~統計学テキスト第3版(2022年以降)は、第2版と違って高度な...
*第1章 [#ufc6f5c4]
~第1章では平均、中央値など基本的な概念を学びます。
~で、P2にいきなり\(\sum\)記号が出てきます。全高校生が涙し...
**\(\sum\)記号 [#o267e3c1]
~\(\sum\)とは''「要素を全部足す」''という意味です。足し算...
~$$ \sum_{i=1}^n x_i $$
~というのは、テキストにもある通り
~$$ x_1 + x_2 + x_3 + ... + x_n $$
~と同じことを表します。iを''変数''といいます。変数という...
**\(\sum\)記号を使うと何がうれしいのか? [#w8a7c899]
~私は数学において「この記号を使うと何がうれしいのか」とい...
-「記述が省略できる」
-「全部の和であることが明確になる」
~という2点だと思います。「あっこれは全部足すんだな!」と...
**バー、チルダ、ハット [#m4e40181]
~同じ場所に \(\bar{x}\) という記法が出てきます。これは「...
~似たような記号としてチルダ、ハットがあります。 \(\tilde{...
**分散、標準偏差はなぜ n-1 で割るのか? [#u250715b]
~みなさんは高校の数IAでは分散、標準偏差を求めるとき、2乗...
~それでは「n-1 で割ったら値が変わるではないか。そもそもな...
**偏差平方和? [#qb4530f9]
~P12にでてくる
~$$ \sum_{i=1}^n{(x_i - \bar{x})}^2 $$
~では「偏差平方和」といういかつい名前がまごつかせてきます...
~平成生まれで数IAのデータを学習した人は「分散 = 2乗の平均...
*第2章 [#ob323a9c]
~度数分布表とヒストグラムの話。
~Eスク統計学ではここをかなり詳細にやりますが、テキストで...
*第3章 [#s5aa3611]
~度数分布表から平均、標準偏差、中央値を求めます。中央値の...
**度数分布表は正確な値が分からない [#bae9fa84]
~度数分布表は各要素の数が分かりません。「収入100万円~200...
~度数分布表の性質から、文字だけ見ると意味の分からない公式...
**度数分布表から中央値を求める [#k3d5312b]
~P50には度数分布表から中央値 \(\tilde{x}\) を求める公式が...
>$$ \tilde{x} = k_{*L} + \frac{c_*}{f_*}(\frac{n}{2} - F_...
>\(k_{*L}\) : 中央値が含まれる階級の下限
>\(c_* = k_{*H} - k_{*L}\) : 中央値が含まれる階級の階級幅
>\(f_*\) : 中央値が含まれる階級の度数
>\(F_{*-1}\) : 中央値が含まれる階級の階級の1つ前の階級の...
~全然意味わからないですね((私はわかりませんでした))。落ち...
~まず「* ってなんだよ!」という疑問が出ると思いますが、* ...
~この公式は中央値が含まれる階級が分かっていることが前提で...
~第2項は難しいですが、階級幅をいい感じに何倍かすれば、中...
~最後に、人数を横軸に変換するために\(\frac{c_*}{f_*}\)を...
~この説明でも、意味が分かりにくいと思います。実感するため...
**度数分布表からの百分位数、四分位数 [#tae8cf85]
~中央値と式を比べてみましょう。\(\frac{n}{2}\) のところが...
*第4章 [#f4525ce7]
~大半が高校数Aの確率の復習です。我々が高校までに学んだ確...
~テキストはわかりやすすぎてあまり補足することがないです。...
**独立 [#dd9418c6]
~本テキストを通じて確率論的に最も大事な概念は「独立」です...
~独立とは、ある事象とある事象がお互いに全く影響を及ぼさな...
*第5章 [#oe9361de]
~数学的には、第1章の\(\sum\)に続いて、空間、関数の概念と\...
**標本「空間」? [#xefea61f]
~P76に「標本空間」という言葉が出てきます。「空間」といわ...
$$ 標本空間 S={e_1, e_2, ..., e_k} があり... $$
というのは、「今から考える世界は \( e_1, e_2, ..., e_k \)...
**関数とは [#s67e46d0]
~本書で全く解説されないのは「関数」の概念です。確率分布は...
***関数は数と数との関係 [#i7386a87]
~関数とは''「何か数字を入れると、何か数字が出てくる」''と...
$$ f(x) = 2x $$
~というのは、「xを2倍せよ」という関数です。
~xに1を入れると2が出てくる。
~xに3を入れると6が出てくる。
~という関係が直感的にわかるかと思います。関数って実はこれ...
***確率分布とは? [#m33e9de9]
~確率分布とは、確率を関数で表したものです。\(f(x)\) を使...
$$ f(0) = (裏が出る確率) = 0.5 $$
$$ f(1) = (表が出る確率) = 0.5 $$
と書けます。これが確率分布です。なお、ここで「表=1、裏=0...
上の例を見ればわかる通り、''確率分布の値を全部足すと必ず1...
***確率分布を使うとなにがうれしいのか? [#s84b1e37]
~サイコロのような''離散型''、すなわち飛び飛びの値を取る、...
~さらに''連続型''、例えば気温・身長体重のような中間の値を...
**期待値、期待値の分散・標準偏差 [#a1da7041]
~期待値は重要な概念です。期待値の定義は、確率変数を \(x_1...
$$\mu = E(X) = \sum_{i=1}^k x_i f(x_i)$$
~です。ぱっと見意味が分かりませんが、日本語で書けば「確率...
~今ではごく少数になったパチプロ(パチンコ・パチスロで生計...
~期待値の分散の定義式
$$ \sigma^2 =var(X) = \sum_{i=1}^k {(x_i - \mu)}^2 f(x_i)$$
についても、ここまでが分かっていれば「偏差平方和と確率を...
**積分とは [#h2465a01]
~連続型確率分布に入る前に、積分の説明をします。積分とは実...
***積分=足し算 [#x632729f]
#ref(int.jpg)
((https://mathlandscape.com/integration/ より))
~高校の数IIで習ったように、積分とは f(x) より下の部分にあ...
~これがどう統計と関係あるの?と疑問だと思うでしょうから、...
#ref(hist.jpg,zoom,480x480)
~はじめのヒストグラムでは、短冊形の面積を全部足していくと...
~実際は積分は微分の逆演算を行うことで不思議と計算できてし...
***積分すると何がうれしいのか [#ef0c8b27]
~''連続型確率分布の計算ができます''。これはめっちゃうれし...
**離散型・連続型確率分布の累積分布関数 [#gfd4dac4]
~特に連続型確率分布の累積分布関数は第5章で一番意味わから...
***累積分布関数 [#h09f4f40]
~「累積分布関数」は「変数xのところまでの確率を全部足した...
~累積分布関数を使うとうれしいことは、「??以下になる確率」...
***離散型と連続型の累積分布関数 [#n6011821]
~離散型の累積分布関数と、連続型の累積分布関数の公式をそれ...
$$離散型:F(x) = P(X\le x) = \sum_{i\le x}f(t)$$
$$連続型:F(x) = P(X\le x) = \int_{-\infty}^x f(t)dt$$
~前述のように、この2つはほぼ同じ意味です。離散型が「xのと...
***\(-\infty\) ??? [#l68d593b]
~積分の所に \(-\infty\) という記号が現れました。数IIIをや...
~積分記号の下限に \(-\infty\) がついているということは、...
#ref(inf2.jpg,zoom,480x480)
~理想の関数と現実の関数はこのような図示をすることができま...
***連続型確率分布の確率・期待値・分散・標準偏差の計算 [#t...
~''一定の区間の積分をすれば確率になります''。例えば身長15...
$$\int_{150}^{160} f(t)dt$$
~を計算すればいいってわけです。
~期待値、分散も同じ。和の代わりに積分を使うだけです。見た...
*第6章 [#f23317ac]
~「確率変数の関数」というわかるようなわからんようなタイト...
**一次関数による変換 [#e941b342]
~本書の変換は一次関数のみが扱われています。次のような式で...
$$ g(x) = a + bx $$
~つまり「b倍してからa足す」という操作をするということです...
**標準化:b倍してからa足すと何がうれしい? [#tdf01d96]
~一次関数による変換ができると「標準化」という手法が使えま...
~偏差値を例にしましょう。偏差値は標準化とほぼ同じで「期待...
**変換と期待値・分散・標準偏差の変動 [#obe13a4d]
~テキストにはごちゃごちゃと数式による導出が書かれています...
$$期待値:\mu_Y = a + b\mu_X $$
$$分散:{\sigma_Y}^2 = {b^2}{\sigma_X}^2 $$
$$標準偏差: \sigma_Y = b\sigma_X $$
~つまり''「期待値は関数と同じ形、分散はbの2乗倍、標準偏差...
**標準化の式 [#zffeb9be]
$$Z = \frac{X-\mu}{\sigma} $$
$$ X:変換前の確率変数、\mu:変換前の期待値$$
$$\sigma:変換前の標準偏差 $$
~これも覚えましょう。「期待値を引いた後標準偏差で割る」、...
-期待値:変換前の期待値を引き算するから、0になる
-分散:標準偏差で割ると、変換前の標準偏差の2乗=変換前の...
-標準偏差:分散と同じで、変換前の標準偏差で割った値になる...
**\( g^{-1}(Y) ?? \frac{dx}{dy} ??? \) [#e80326f7]
~P103、連続型確率分布の変換の所に\( g^{-1}(Y) \) や \(\fr...
***逆関数 [#x1ff99c1]
~\( g^{-1}(Y) \) は''逆関数''といいます。逆関数とは、簡単...
$$y = a+bx → x=-\frac{a}{b}+\frac{1}{b}y $$((本当はこのあ...
***微分 [#u1a0531c]
\(\frac{dx}{dy}\) は''微分''です。「xをyで微分する」とい...
$$ x=-\frac{a}{b}+\frac{1}{b}y $$
における傾きは、\(\frac{1}{b}\)ですから、これが\(\frac{dx...
*第7章 [#c609316d]
~いよいよ正規分布です。ここからようやく本格的な統計学の世...
**正規分布の式 [#xab170b8]
$$f(x) = \frac{1}{\sqrt{2\pi}\sigma}e^{-\frac{1}{2\sigma^...
$$\sigma:標準偏差、\mu:期待値、e:自然対数の底$$
~この式をそのまま覚える必要はありません。グラフを書くと「...
**標準正規分布…何がお得なのか [#k65c4414]
~5章で学んだ標準化を施した正規分布が標準正規分布です。標...
$$P(Z\le z) = \int_{-\infty}^z \frac{1}{\sqrt{2\pi}}e^{-\...
が書いてあるということです。この式、見ただけでは意味わか...
#ref(hyoujyun1.jpg,zoom,480x480)
要するに「指定のzの所までの面積」です。なぜ-∞から積分して...
**偏差値による正規分布の類推 [#b5998c87]
~日本人は偏差値が大好きです。したがって正規分布は、偏差値...
~正規分布では標準偏差σを使った「σいっこぶん」の値が重要で...
-偏差値40-60の間には68%の人がいる
--正規分布においては、-σ~+σの間に68%の人がいる
-偏差値60とは、上位16%である
--正規分布において、+σより大きい値は16%しかない。
-偏差値70とは、上位2%である
--正規分布において、+2σより大きい値は2%しかない。
***標準正規分布表から累積分布を求める [#v2190a93]
~さてテキストP113の例題1を見てみましょう。
>$$P(Z\le 1.96) を求めます。$$
~なんのことだかわかりませんね。一応、問題を解くだけなら、...
~まず1.96というのは、「σ1.96個ぶん」すなわち「+1.96σ」と...
~なおここで出てくる.9750という値は後述の「有意水準5%」に...
***例題5を例に [#k4a60ae0]
~さて同様にして例題5の意味を次のように変換することができ...
>>$$P(Z> 1.96) を求めます。$$
-σ1.96個よりも大きいデータはどのくらいあるか
--偏差値69.5より大きい人はどのくらいいるか
~→0.025(2.5%)
>>$$P(Z\le -1.96) を求めます。$$
-σ-1.96個よりも小さいデータはどのくらいあるか
--偏差値30.5より小さい人はどのくらいいるか
~→0.025(2.5%)
>>$$P( -1.96 \le Z \le 1.96) を求めます。$$
-σ-1.96個~1.96個の間にあるデータはどのくらいあるか
--偏差値30.5~69.5の間にどのくらい人がいるか
~→0.95(95%)
~少しはイメージしやすくなるのではないでしょうか。
*第8章 [#lf45fcfe]
~中心極限定理は、私が最も意味わからなかった理論でした。テ...
**中心極限定理とは [#a6a4bb2d]
~中心極限定理は次の3つのお題目に分解できます。母集団から...
+標本の平均値は、正規分布に従う
+標本の平均値の期待値は、母集団の平均値の期待値と等しい
+標本の平均値の標準偏差は、標本の数が大きいほど小さくなる...
~が成り立つことをいいます。はい意味わかりませんね。意味わ...
***中心極限定理が分かると何がうれしいのか? [#taf64f6f]
~''標本数を増やすほど、統計に信憑性が増す''ことが分かりま...
~例えば、あるテストの点数の全国平均を推定したいとします。...
。2.3.をあわせると、標本数が多ければ多いほど平均値からの...
***中心極限定理の前提…独立 [#t9ed01c8]
~でも東京都のテストの平均って全国より高くない?東京って人...
**確率分布の和 [#e15df03f]
~ここでテキストを少し戻って、確率分布の和についての公式を...
~(独立な)確率分布XとYの和を取ると、次の関係が成り立ちます。
$$ 期待値:\mu = \mu_X + \mu_Y$$
$$ 分散:\sigma^2 ={\sigma_X}^2 + {\sigma_Y}^2 $$
$$ 標準偏差:\sigma = \sqrt{{\sigma_X}^2 + {\sigma_Y}^2} ...
~大事なことは「期待値はそのまんま和になる」「標準偏差は平...
~なおこの式から中心極限定理の公式が導けるのですが(P135)、...
***標準偏差が小さくなると何がうれしいか [#a9fe92b0]
~P141の例題にもあるように、''リスクを分散することの意義''...
*第9章 [#n839496d]
~信頼区間の推定。見た目の式の複雑さに嫌気がさすと思います...
~特に、母集団平均の区間推定とt分布による区間推定の違い、...
**信頼区間とは何か? [#c6e9fcc4]
~''標本の平均が一定の確率で含まれる範囲''のことです。例え...
~信頼「区間」というからには範囲が必要です。身長の例では「...
**信頼区間の考え方を使うとうれしいこと [#k9df2e5c]
''統計の誤差を含んだ評価が可能になります''。統計は標本を...
**母集団平均の区間推定 [#v66ce981]
~平均 μ を推定する式、すなわち信頼区間を求める式は次の通...
$$ P(\bar{x}-z_\frac{\alpha}{2} \frac{\sigma}{\sqrt{n}} \...
$$ 1-\alpha:信頼係数 $$
$$ z_\frac{\alpha}{2} : 信頼係数\,1 - \alpha\,に対する正...
$$ \sigma: 母集団の標準偏差 $$
$$ n : 標本数 $$
~これ初見で意味わかったらすごいです。とりあえずわかること...
***信頼係数 : なぜ \(1-\alpha\) なのか [#w685003b]
~信頼係数とは、''標本の平均が指定した区間に含まれる確率''...
***\(z_{\frac{\alpha}{2}}\) って何よ [#t4ff0b76]
~''誤差に対応する標準正規分布の値''です。よくわかりません...
~\(z_{\frac{\alpha}{2}}\) の実際の値は、第7章の書き方を使...
$$ P(Z \le z_{\frac{\alpha}{2}}) = 1 - \frac{\alpha}{2}$$
で求めることができます。標準正規分布表から、累積分布が\(1...
~??なぜ右辺は\(1 - \frac{\alpha}{2}\) なの?という疑問...
#ref(sinrai1.jpg,zoom,480x480)
~誤差はプラスとマイナスに両方半分ずつありますので、それぞ...
**t分布を使う意味 [#vcfd1656]
~本章の後半にはt分布が出てきます。これ使う意味あんの?と...
-母集団の標準偏差が分かっている
-nがすっげー大きい
~この両方が成り立っていないと、信頼区間の式は使えません。...
~そこで登場するのがt分布です。t分布は''標本でも使える標準...
~なおt分布の定義式には「ガンマ関数」というわけわからん関...
**t分布を使った信頼区間の推定 [#l21a874b]
$$ P(\bar{x}-t_\frac{\alpha}{2} \frac{s}{\sqrt{n}} \le \m...
$$ 1-\alpha:信頼係数 $$
$$ t_\frac{\alpha}{2} : 信頼係数\,1 - \alpha\,、自由\, n-...
$$ s: 標本の標準偏差 $$
$$ n : 標本数 $$
~''母集団平均の区間推定の式と全く同じ形''ですね。これで本...
*第10章 [#m71f63e9]
~中盤の山場、仮説検定です。これができればかなりの統計的調...
**帰無仮説と対立仮説:なぜ帰無仮説を棄却するのか [#m052a5...
~統計学では「帰無仮説を棄却→対立仮説を採用」「帰無仮説を...
***統計は「差異があるかどうか」を調べるための手段 [#wd76f...
~統計で何を調べたいかというと、だいたいは「ある統計量に顕...
***誤差の方に注目する [#o1ae68de]
~信頼区間のグラフを再掲します。信頼区間というのは95%あた...
#ref(kentei1.jpg,zoom,480x480)
~この図を見ると、信頼区間の範囲に統計量が入っていることよ...
***帰無仮説を棄却すること [#s1e9da94]
~これを帰無仮説・対立仮説の話に応用します。帰無仮説はふつ...
~統計学的には赤い部分を「''棄却域''」、赤い部分の全体に対...
~くどいですが足立区の例に戻ると、「足立区の犯罪発生率はほ...
**検定統計量 [#b36801cc]
~検定統計量とは、仮説検定で使う標準正規分布、またはt分布...
~※仮説検定では、標本の「平均値」を使います。中心極限定理...
$$標準正規分布:Z=\frac{\bar{x} - \mu}{\sigma / \sqrt{n}}$$
$$t分布:t=\frac{\bar{x} - \mu}{s / \sqrt{n}} $$ ((実用上...
~テキストをここまで追ってくると、いったいこの式が何の値だ...
~検定統計量が棄却域に入れば(=上の図で赤い範囲に入れば)...
~ちなみに有効水準5%で''両側検定''(棄却域を小さい・大きい...
~なお、本テキストの例題はほとんどが''片側検定''(棄却域を...
**第Ⅰ種の過誤、第Ⅱ種の過誤 [#h4cb8e9f]
定義は次の通りです。
>第Ⅰ種の過誤:帰無仮説が正しいにもかかわらず、間違って対...
>第Ⅱ種の過誤:対立仮説が正しいにもかかわらず、間違って帰...
~第Ⅰ種の過誤は「帰無仮説を採用した場合の検定統計量が棄却...
**P値 [#h3ae8a98]
~これはテキストのまずい所だと思いますが、P値がなんなのか...
#ref(p1.jpg,zoom,480x600)
*第11章 [#g68f320e]
~高校の数Iで学習した共分散、相関係数の復習です。共分散は2...
~細かい数学的な証明は飛ばしていただいて結構です。
*第12章 [#n2b8e0ed]
~いよいよ本テキストの主目的、回帰分析に入ります。ここまで...
**回帰分析って何 [#r47c010d]
~2つの変数の関係を関数やグラフで表すことを目的とした分析...
~よく例に出されるのが身長と体重の関係です。身長が高い人は...
**単純回帰モデル [#b63ef8c2]
~単純回帰モデルでは1次関数を仮定しますから、次のような形...
$$y = \alpha + \beta x$$
~しかしテキストにはこのような単純な形では書いてありません...
$$y_i = \alpha + \beta x_i$$
~と書かれています。iって何?と思われるかと。
~まず、回帰分析というのは一方の値(''独立変数'')から一方...
**単純回帰モデルの式の求め方 [#m75f10cb]
~''最小二乗法''を使います。最小二乗法とは、求めたい直線と...
~計算結果は次のような式になります(これも覚える必要はない...
$$\hat{\beta} = \frac{\sum(x_i-\bar{x})(y_i-\bar{y})}{\su...
$$\hat{\alpha} = \bar{y} - \hat{\beta}\bar{x}$$
~αやβに帽子(ハット)がついているのは、推定値であることを...
~P213-215のように、行列と偏微分を用いればこの式は導出でき...
*第13章 [#v89d66bf]
~この章で大事な概念は標準誤差と決定係数です。この2つだけ...
**標準誤差 [#m1743210]
#ref(err1.jpg,zoom,480x400)
~誤差 e とは、予想した回帰曲線と実際の値の y 座標の差をい...
$$誤差:e_i = y_i - \hat{y_i}$$
~標準誤差とは、これらの誤差を全部ひっくるめたもので、平均...
$$標準誤差:s = \sqrt{\frac{1}{n-2}\sum{{e_i}^2}}$$
~これも??ポイントがいくつかあるので解説します。
~まずなぜルートを取るのか?これは、2乗したものをそのまま...
~次になぜn-2で割るのか?nじゃないんだ?これはテキストを見...
***標準誤差を求めるとうれしいこと [#e67e8288]
~誤差を定量的に評価できます。この回帰式だとだいたいこのく...
**決定係数 [#z581d590]
~回帰式の説明力=もっともらしさは、誤差が少なければ少ない...
$$決定係数:r^2 = 1 - \frac{\sum{e_i}^2}{\sum(y_i-\bar{y}...
~分数の項に注目しましょう。分母は平均との差の2乗を全部足...
***決定係数と相関係数の関係 [#q8a3da6c]
~なぜ決定係数が \(r^2\)という形になっているかというと、こ...
~たしかに、相関係数が1や-1に近いとデータはほぼ直線の形に...
*第14章 [#rb2e7467]
~標準誤差を使って、回帰係数\(\beta\)(回帰式のxの係数のこ...
**回帰係数の信頼区間 [#z1ba3a01]
~13章で求めた標準誤差が分かれば、回帰係数がどのくらいの値...
$$P(\hat{\beta}-t_\frac{\alpha}{2} \cdot s_{\hat{\beta}} ...
$$ \hat{\beta} :回帰分析で得られた\betaの推定値 $$
$$ s_{\hat{\beta}} :\hat{\beta}の標準誤差 $$
$$ t_\frac{\alpha}{2} :t分布 $$
$$ 1 - \alpha:信頼係数$$
~''信頼区間の式と同じ形''をしていることがわかります。標準...
*** t分布を使う理由 [#ac395e71]
~上の式でt分布は次のように定義されます。
$$t = \frac{\hat{\beta} - \beta}{s_\hat{\beta}}$$
~なぜこんな式で書くことができるのか。回帰係数は標本の取り...
**回帰係数の有意性についての仮説検定 [#e2b9b7dd]
~回帰分析が本当に有効なのか、つまり''xがyに本当に影響を与...
~帰無仮説は\(\beta=0\)、すなわちxがyに影響を与えていない...
***検定統計量はt分布 [#w6016193]
~検定統計量はt分布そのものです。再掲すると
$$t = \frac{\hat{\beta} - \beta}{s_\hat{\beta}}$$
~で、帰無仮説は\(\beta=0\)だから、実際に計算するのはこい...
$$t = \frac{\hat{\beta} - 0}{s_\hat{\beta}}$$
~こいつが棄却域に入れば対立仮説を採用→xがyに影響を与えて...
***P値を使う場合 [#bd4ce1ab]
~t分布をP値に変換すれば仮説検定が分かりやすくなります。と...
~例えば有意水準5%なら、検定統計量が0.05より小さければ帰無...
*第15章 [#ra3d148a]
~様々な平均について触れられています。ここではテキストで「...
**1/n乗 [#sc25b2e7]
~冒頭の幾何平均で
$$\hat{y}_G = (y_1 × y_2 × ... × y_n)^{(\frac{1}{n})}$$
という見慣れない記号 \((\frac{1}{n})\)が出てきます。これ...
~n乗という言い方は皆さん聞いたことあると思います。n回掛け...
$$8^{(\frac{1}{3})}$$
を求めなさい、と言われたら、「3回掛け算して8になる数って...
~感覚的には「なんか重めのルート」だと思っていただければい...
**[] [#mbc3ce40]
~平均増加率のところにある
$$\bar{g} = [(\frac{x_n}{x_0})^{(\frac{1}{n})} - 1]×100$$
~に登場する大きな角カッコ [] には、特別な意味はありません...
~余談になりますが平均増加率の考え方は大事です。例えば資産...
*16章 [#bf1901d9]
~ローレンツ係数とジニ係数について。数学的に捉えにくいとこ...
*17章 [#f1136733]
~二項分布。ここからだんだんと数学的に面倒になってきます。
**ベルヌーイ試行 [#y542ded1]
終了行:
#contents
*このページについて [#zd7a0c9b]
~テキスト科目統計学の解説を目的としたページです。
~秋山先生の統計学テキストは、非常によく練られている素晴ら...
*統計学の重要性 [#n18d0847]
~経済学部、一部の文学部の人にとって統計学は基本的で必須の...
~数学的なことは実は現代ではexcelが勝手にやってくれるので...
*基本的な考え方 [#qd683b84]
**手を動かす [#aa2b5ee6]
~各章の内容をある程度理解したら、練習問題を必ず解いてくだ...
**発展事項は飛ばす [#t9af95da]
~統計学テキスト第3版(2022年以降)は、第2版と違って高度な...
*第1章 [#ufc6f5c4]
~第1章では平均、中央値など基本的な概念を学びます。
~で、P2にいきなり\(\sum\)記号が出てきます。全高校生が涙し...
**\(\sum\)記号 [#o267e3c1]
~\(\sum\)とは''「要素を全部足す」''という意味です。足し算...
~$$ \sum_{i=1}^n x_i $$
~というのは、テキストにもある通り
~$$ x_1 + x_2 + x_3 + ... + x_n $$
~と同じことを表します。iを''変数''といいます。変数という...
**\(\sum\)記号を使うと何がうれしいのか? [#w8a7c899]
~私は数学において「この記号を使うと何がうれしいのか」とい...
-「記述が省略できる」
-「全部の和であることが明確になる」
~という2点だと思います。「あっこれは全部足すんだな!」と...
**バー、チルダ、ハット [#m4e40181]
~同じ場所に \(\bar{x}\) という記法が出てきます。これは「...
~似たような記号としてチルダ、ハットがあります。 \(\tilde{...
**分散、標準偏差はなぜ n-1 で割るのか? [#u250715b]
~みなさんは高校の数IAでは分散、標準偏差を求めるとき、2乗...
~それでは「n-1 で割ったら値が変わるではないか。そもそもな...
**偏差平方和? [#qb4530f9]
~P12にでてくる
~$$ \sum_{i=1}^n{(x_i - \bar{x})}^2 $$
~では「偏差平方和」といういかつい名前がまごつかせてきます...
~平成生まれで数IAのデータを学習した人は「分散 = 2乗の平均...
*第2章 [#ob323a9c]
~度数分布表とヒストグラムの話。
~Eスク統計学ではここをかなり詳細にやりますが、テキストで...
*第3章 [#s5aa3611]
~度数分布表から平均、標準偏差、中央値を求めます。中央値の...
**度数分布表は正確な値が分からない [#bae9fa84]
~度数分布表は各要素の数が分かりません。「収入100万円~200...
~度数分布表の性質から、文字だけ見ると意味の分からない公式...
**度数分布表から中央値を求める [#k3d5312b]
~P50には度数分布表から中央値 \(\tilde{x}\) を求める公式が...
>$$ \tilde{x} = k_{*L} + \frac{c_*}{f_*}(\frac{n}{2} - F_...
>\(k_{*L}\) : 中央値が含まれる階級の下限
>\(c_* = k_{*H} - k_{*L}\) : 中央値が含まれる階級の階級幅
>\(f_*\) : 中央値が含まれる階級の度数
>\(F_{*-1}\) : 中央値が含まれる階級の階級の1つ前の階級の...
~全然意味わからないですね((私はわかりませんでした))。落ち...
~まず「* ってなんだよ!」という疑問が出ると思いますが、* ...
~この公式は中央値が含まれる階級が分かっていることが前提で...
~第2項は難しいですが、階級幅をいい感じに何倍かすれば、中...
~最後に、人数を横軸に変換するために\(\frac{c_*}{f_*}\)を...
~この説明でも、意味が分かりにくいと思います。実感するため...
**度数分布表からの百分位数、四分位数 [#tae8cf85]
~中央値と式を比べてみましょう。\(\frac{n}{2}\) のところが...
*第4章 [#f4525ce7]
~大半が高校数Aの確率の復習です。我々が高校までに学んだ確...
~テキストはわかりやすすぎてあまり補足することがないです。...
**独立 [#dd9418c6]
~本テキストを通じて確率論的に最も大事な概念は「独立」です...
~独立とは、ある事象とある事象がお互いに全く影響を及ぼさな...
*第5章 [#oe9361de]
~数学的には、第1章の\(\sum\)に続いて、空間、関数の概念と\...
**標本「空間」? [#xefea61f]
~P76に「標本空間」という言葉が出てきます。「空間」といわ...
$$ 標本空間 S={e_1, e_2, ..., e_k} があり... $$
というのは、「今から考える世界は \( e_1, e_2, ..., e_k \)...
**関数とは [#s67e46d0]
~本書で全く解説されないのは「関数」の概念です。確率分布は...
***関数は数と数との関係 [#i7386a87]
~関数とは''「何か数字を入れると、何か数字が出てくる」''と...
$$ f(x) = 2x $$
~というのは、「xを2倍せよ」という関数です。
~xに1を入れると2が出てくる。
~xに3を入れると6が出てくる。
~という関係が直感的にわかるかと思います。関数って実はこれ...
***確率分布とは? [#m33e9de9]
~確率分布とは、確率を関数で表したものです。\(f(x)\) を使...
$$ f(0) = (裏が出る確率) = 0.5 $$
$$ f(1) = (表が出る確率) = 0.5 $$
と書けます。これが確率分布です。なお、ここで「表=1、裏=0...
上の例を見ればわかる通り、''確率分布の値を全部足すと必ず1...
***確率分布を使うとなにがうれしいのか? [#s84b1e37]
~サイコロのような''離散型''、すなわち飛び飛びの値を取る、...
~さらに''連続型''、例えば気温・身長体重のような中間の値を...
**期待値、期待値の分散・標準偏差 [#a1da7041]
~期待値は重要な概念です。期待値の定義は、確率変数を \(x_1...
$$\mu = E(X) = \sum_{i=1}^k x_i f(x_i)$$
~です。ぱっと見意味が分かりませんが、日本語で書けば「確率...
~今ではごく少数になったパチプロ(パチンコ・パチスロで生計...
~期待値の分散の定義式
$$ \sigma^2 =var(X) = \sum_{i=1}^k {(x_i - \mu)}^2 f(x_i)$$
についても、ここまでが分かっていれば「偏差平方和と確率を...
**積分とは [#h2465a01]
~連続型確率分布に入る前に、積分の説明をします。積分とは実...
***積分=足し算 [#x632729f]
#ref(int.jpg)
((https://mathlandscape.com/integration/ より))
~高校の数IIで習ったように、積分とは f(x) より下の部分にあ...
~これがどう統計と関係あるの?と疑問だと思うでしょうから、...
#ref(hist.jpg,zoom,480x480)
~はじめのヒストグラムでは、短冊形の面積を全部足していくと...
~実際は積分は微分の逆演算を行うことで不思議と計算できてし...
***積分すると何がうれしいのか [#ef0c8b27]
~''連続型確率分布の計算ができます''。これはめっちゃうれし...
**離散型・連続型確率分布の累積分布関数 [#gfd4dac4]
~特に連続型確率分布の累積分布関数は第5章で一番意味わから...
***累積分布関数 [#h09f4f40]
~「累積分布関数」は「変数xのところまでの確率を全部足した...
~累積分布関数を使うとうれしいことは、「??以下になる確率」...
***離散型と連続型の累積分布関数 [#n6011821]
~離散型の累積分布関数と、連続型の累積分布関数の公式をそれ...
$$離散型:F(x) = P(X\le x) = \sum_{i\le x}f(t)$$
$$連続型:F(x) = P(X\le x) = \int_{-\infty}^x f(t)dt$$
~前述のように、この2つはほぼ同じ意味です。離散型が「xのと...
***\(-\infty\) ??? [#l68d593b]
~積分の所に \(-\infty\) という記号が現れました。数IIIをや...
~積分記号の下限に \(-\infty\) がついているということは、...
#ref(inf2.jpg,zoom,480x480)
~理想の関数と現実の関数はこのような図示をすることができま...
***連続型確率分布の確率・期待値・分散・標準偏差の計算 [#t...
~''一定の区間の積分をすれば確率になります''。例えば身長15...
$$\int_{150}^{160} f(t)dt$$
~を計算すればいいってわけです。
~期待値、分散も同じ。和の代わりに積分を使うだけです。見た...
*第6章 [#f23317ac]
~「確率変数の関数」というわかるようなわからんようなタイト...
**一次関数による変換 [#e941b342]
~本書の変換は一次関数のみが扱われています。次のような式で...
$$ g(x) = a + bx $$
~つまり「b倍してからa足す」という操作をするということです...
**標準化:b倍してからa足すと何がうれしい? [#tdf01d96]
~一次関数による変換ができると「標準化」という手法が使えま...
~偏差値を例にしましょう。偏差値は標準化とほぼ同じで「期待...
**変換と期待値・分散・標準偏差の変動 [#obe13a4d]
~テキストにはごちゃごちゃと数式による導出が書かれています...
$$期待値:\mu_Y = a + b\mu_X $$
$$分散:{\sigma_Y}^2 = {b^2}{\sigma_X}^2 $$
$$標準偏差: \sigma_Y = b\sigma_X $$
~つまり''「期待値は関数と同じ形、分散はbの2乗倍、標準偏差...
**標準化の式 [#zffeb9be]
$$Z = \frac{X-\mu}{\sigma} $$
$$ X:変換前の確率変数、\mu:変換前の期待値$$
$$\sigma:変換前の標準偏差 $$
~これも覚えましょう。「期待値を引いた後標準偏差で割る」、...
-期待値:変換前の期待値を引き算するから、0になる
-分散:標準偏差で割ると、変換前の標準偏差の2乗=変換前の...
-標準偏差:分散と同じで、変換前の標準偏差で割った値になる...
**\( g^{-1}(Y) ?? \frac{dx}{dy} ??? \) [#e80326f7]
~P103、連続型確率分布の変換の所に\( g^{-1}(Y) \) や \(\fr...
***逆関数 [#x1ff99c1]
~\( g^{-1}(Y) \) は''逆関数''といいます。逆関数とは、簡単...
$$y = a+bx → x=-\frac{a}{b}+\frac{1}{b}y $$((本当はこのあ...
***微分 [#u1a0531c]
\(\frac{dx}{dy}\) は''微分''です。「xをyで微分する」とい...
$$ x=-\frac{a}{b}+\frac{1}{b}y $$
における傾きは、\(\frac{1}{b}\)ですから、これが\(\frac{dx...
*第7章 [#c609316d]
~いよいよ正規分布です。ここからようやく本格的な統計学の世...
**正規分布の式 [#xab170b8]
$$f(x) = \frac{1}{\sqrt{2\pi}\sigma}e^{-\frac{1}{2\sigma^...
$$\sigma:標準偏差、\mu:期待値、e:自然対数の底$$
~この式をそのまま覚える必要はありません。グラフを書くと「...
**標準正規分布…何がお得なのか [#k65c4414]
~5章で学んだ標準化を施した正規分布が標準正規分布です。標...
$$P(Z\le z) = \int_{-\infty}^z \frac{1}{\sqrt{2\pi}}e^{-\...
が書いてあるということです。この式、見ただけでは意味わか...
#ref(hyoujyun1.jpg,zoom,480x480)
要するに「指定のzの所までの面積」です。なぜ-∞から積分して...
**偏差値による正規分布の類推 [#b5998c87]
~日本人は偏差値が大好きです。したがって正規分布は、偏差値...
~正規分布では標準偏差σを使った「σいっこぶん」の値が重要で...
-偏差値40-60の間には68%の人がいる
--正規分布においては、-σ~+σの間に68%の人がいる
-偏差値60とは、上位16%である
--正規分布において、+σより大きい値は16%しかない。
-偏差値70とは、上位2%である
--正規分布において、+2σより大きい値は2%しかない。
***標準正規分布表から累積分布を求める [#v2190a93]
~さてテキストP113の例題1を見てみましょう。
>$$P(Z\le 1.96) を求めます。$$
~なんのことだかわかりませんね。一応、問題を解くだけなら、...
~まず1.96というのは、「σ1.96個ぶん」すなわち「+1.96σ」と...
~なおここで出てくる.9750という値は後述の「有意水準5%」に...
***例題5を例に [#k4a60ae0]
~さて同様にして例題5の意味を次のように変換することができ...
>>$$P(Z> 1.96) を求めます。$$
-σ1.96個よりも大きいデータはどのくらいあるか
--偏差値69.5より大きい人はどのくらいいるか
~→0.025(2.5%)
>>$$P(Z\le -1.96) を求めます。$$
-σ-1.96個よりも小さいデータはどのくらいあるか
--偏差値30.5より小さい人はどのくらいいるか
~→0.025(2.5%)
>>$$P( -1.96 \le Z \le 1.96) を求めます。$$
-σ-1.96個~1.96個の間にあるデータはどのくらいあるか
--偏差値30.5~69.5の間にどのくらい人がいるか
~→0.95(95%)
~少しはイメージしやすくなるのではないでしょうか。
*第8章 [#lf45fcfe]
~中心極限定理は、私が最も意味わからなかった理論でした。テ...
**中心極限定理とは [#a6a4bb2d]
~中心極限定理は次の3つのお題目に分解できます。母集団から...
+標本の平均値は、正規分布に従う
+標本の平均値の期待値は、母集団の平均値の期待値と等しい
+標本の平均値の標準偏差は、標本の数が大きいほど小さくなる...
~が成り立つことをいいます。はい意味わかりませんね。意味わ...
***中心極限定理が分かると何がうれしいのか? [#taf64f6f]
~''標本数を増やすほど、統計に信憑性が増す''ことが分かりま...
~例えば、あるテストの点数の全国平均を推定したいとします。...
。2.3.をあわせると、標本数が多ければ多いほど平均値からの...
***中心極限定理の前提…独立 [#t9ed01c8]
~でも東京都のテストの平均って全国より高くない?東京って人...
**確率分布の和 [#e15df03f]
~ここでテキストを少し戻って、確率分布の和についての公式を...
~(独立な)確率分布XとYの和を取ると、次の関係が成り立ちます。
$$ 期待値:\mu = \mu_X + \mu_Y$$
$$ 分散:\sigma^2 ={\sigma_X}^2 + {\sigma_Y}^2 $$
$$ 標準偏差:\sigma = \sqrt{{\sigma_X}^2 + {\sigma_Y}^2} ...
~大事なことは「期待値はそのまんま和になる」「標準偏差は平...
~なおこの式から中心極限定理の公式が導けるのですが(P135)、...
***標準偏差が小さくなると何がうれしいか [#a9fe92b0]
~P141の例題にもあるように、''リスクを分散することの意義''...
*第9章 [#n839496d]
~信頼区間の推定。見た目の式の複雑さに嫌気がさすと思います...
~特に、母集団平均の区間推定とt分布による区間推定の違い、...
**信頼区間とは何か? [#c6e9fcc4]
~''標本の平均が一定の確率で含まれる範囲''のことです。例え...
~信頼「区間」というからには範囲が必要です。身長の例では「...
**信頼区間の考え方を使うとうれしいこと [#k9df2e5c]
''統計の誤差を含んだ評価が可能になります''。統計は標本を...
**母集団平均の区間推定 [#v66ce981]
~平均 μ を推定する式、すなわち信頼区間を求める式は次の通...
$$ P(\bar{x}-z_\frac{\alpha}{2} \frac{\sigma}{\sqrt{n}} \...
$$ 1-\alpha:信頼係数 $$
$$ z_\frac{\alpha}{2} : 信頼係数\,1 - \alpha\,に対する正...
$$ \sigma: 母集団の標準偏差 $$
$$ n : 標本数 $$
~これ初見で意味わかったらすごいです。とりあえずわかること...
***信頼係数 : なぜ \(1-\alpha\) なのか [#w685003b]
~信頼係数とは、''標本の平均が指定した区間に含まれる確率''...
***\(z_{\frac{\alpha}{2}}\) って何よ [#t4ff0b76]
~''誤差に対応する標準正規分布の値''です。よくわかりません...
~\(z_{\frac{\alpha}{2}}\) の実際の値は、第7章の書き方を使...
$$ P(Z \le z_{\frac{\alpha}{2}}) = 1 - \frac{\alpha}{2}$$
で求めることができます。標準正規分布表から、累積分布が\(1...
~??なぜ右辺は\(1 - \frac{\alpha}{2}\) なの?という疑問...
#ref(sinrai1.jpg,zoom,480x480)
~誤差はプラスとマイナスに両方半分ずつありますので、それぞ...
**t分布を使う意味 [#vcfd1656]
~本章の後半にはt分布が出てきます。これ使う意味あんの?と...
-母集団の標準偏差が分かっている
-nがすっげー大きい
~この両方が成り立っていないと、信頼区間の式は使えません。...
~そこで登場するのがt分布です。t分布は''標本でも使える標準...
~なおt分布の定義式には「ガンマ関数」というわけわからん関...
**t分布を使った信頼区間の推定 [#l21a874b]
$$ P(\bar{x}-t_\frac{\alpha}{2} \frac{s}{\sqrt{n}} \le \m...
$$ 1-\alpha:信頼係数 $$
$$ t_\frac{\alpha}{2} : 信頼係数\,1 - \alpha\,、自由\, n-...
$$ s: 標本の標準偏差 $$
$$ n : 標本数 $$
~''母集団平均の区間推定の式と全く同じ形''ですね。これで本...
*第10章 [#m71f63e9]
~中盤の山場、仮説検定です。これができればかなりの統計的調...
**帰無仮説と対立仮説:なぜ帰無仮説を棄却するのか [#m052a5...
~統計学では「帰無仮説を棄却→対立仮説を採用」「帰無仮説を...
***統計は「差異があるかどうか」を調べるための手段 [#wd76f...
~統計で何を調べたいかというと、だいたいは「ある統計量に顕...
***誤差の方に注目する [#o1ae68de]
~信頼区間のグラフを再掲します。信頼区間というのは95%あた...
#ref(kentei1.jpg,zoom,480x480)
~この図を見ると、信頼区間の範囲に統計量が入っていることよ...
***帰無仮説を棄却すること [#s1e9da94]
~これを帰無仮説・対立仮説の話に応用します。帰無仮説はふつ...
~統計学的には赤い部分を「''棄却域''」、赤い部分の全体に対...
~くどいですが足立区の例に戻ると、「足立区の犯罪発生率はほ...
**検定統計量 [#b36801cc]
~検定統計量とは、仮説検定で使う標準正規分布、またはt分布...
~※仮説検定では、標本の「平均値」を使います。中心極限定理...
$$標準正規分布:Z=\frac{\bar{x} - \mu}{\sigma / \sqrt{n}}$$
$$t分布:t=\frac{\bar{x} - \mu}{s / \sqrt{n}} $$ ((実用上...
~テキストをここまで追ってくると、いったいこの式が何の値だ...
~検定統計量が棄却域に入れば(=上の図で赤い範囲に入れば)...
~ちなみに有効水準5%で''両側検定''(棄却域を小さい・大きい...
~なお、本テキストの例題はほとんどが''片側検定''(棄却域を...
**第Ⅰ種の過誤、第Ⅱ種の過誤 [#h4cb8e9f]
定義は次の通りです。
>第Ⅰ種の過誤:帰無仮説が正しいにもかかわらず、間違って対...
>第Ⅱ種の過誤:対立仮説が正しいにもかかわらず、間違って帰...
~第Ⅰ種の過誤は「帰無仮説を採用した場合の検定統計量が棄却...
**P値 [#h3ae8a98]
~これはテキストのまずい所だと思いますが、P値がなんなのか...
#ref(p1.jpg,zoom,480x600)
*第11章 [#g68f320e]
~高校の数Iで学習した共分散、相関係数の復習です。共分散は2...
~細かい数学的な証明は飛ばしていただいて結構です。
*第12章 [#n2b8e0ed]
~いよいよ本テキストの主目的、回帰分析に入ります。ここまで...
**回帰分析って何 [#r47c010d]
~2つの変数の関係を関数やグラフで表すことを目的とした分析...
~よく例に出されるのが身長と体重の関係です。身長が高い人は...
**単純回帰モデル [#b63ef8c2]
~単純回帰モデルでは1次関数を仮定しますから、次のような形...
$$y = \alpha + \beta x$$
~しかしテキストにはこのような単純な形では書いてありません...
$$y_i = \alpha + \beta x_i$$
~と書かれています。iって何?と思われるかと。
~まず、回帰分析というのは一方の値(''独立変数'')から一方...
**単純回帰モデルの式の求め方 [#m75f10cb]
~''最小二乗法''を使います。最小二乗法とは、求めたい直線と...
~計算結果は次のような式になります(これも覚える必要はない...
$$\hat{\beta} = \frac{\sum(x_i-\bar{x})(y_i-\bar{y})}{\su...
$$\hat{\alpha} = \bar{y} - \hat{\beta}\bar{x}$$
~αやβに帽子(ハット)がついているのは、推定値であることを...
~P213-215のように、行列と偏微分を用いればこの式は導出でき...
*第13章 [#v89d66bf]
~この章で大事な概念は標準誤差と決定係数です。この2つだけ...
**標準誤差 [#m1743210]
#ref(err1.jpg,zoom,480x400)
~誤差 e とは、予想した回帰曲線と実際の値の y 座標の差をい...
$$誤差:e_i = y_i - \hat{y_i}$$
~標準誤差とは、これらの誤差を全部ひっくるめたもので、平均...
$$標準誤差:s = \sqrt{\frac{1}{n-2}\sum{{e_i}^2}}$$
~これも??ポイントがいくつかあるので解説します。
~まずなぜルートを取るのか?これは、2乗したものをそのまま...
~次になぜn-2で割るのか?nじゃないんだ?これはテキストを見...
***標準誤差を求めるとうれしいこと [#e67e8288]
~誤差を定量的に評価できます。この回帰式だとだいたいこのく...
**決定係数 [#z581d590]
~回帰式の説明力=もっともらしさは、誤差が少なければ少ない...
$$決定係数:r^2 = 1 - \frac{\sum{e_i}^2}{\sum(y_i-\bar{y}...
~分数の項に注目しましょう。分母は平均との差の2乗を全部足...
***決定係数と相関係数の関係 [#q8a3da6c]
~なぜ決定係数が \(r^2\)という形になっているかというと、こ...
~たしかに、相関係数が1や-1に近いとデータはほぼ直線の形に...
*第14章 [#rb2e7467]
~標準誤差を使って、回帰係数\(\beta\)(回帰式のxの係数のこ...
**回帰係数の信頼区間 [#z1ba3a01]
~13章で求めた標準誤差が分かれば、回帰係数がどのくらいの値...
$$P(\hat{\beta}-t_\frac{\alpha}{2} \cdot s_{\hat{\beta}} ...
$$ \hat{\beta} :回帰分析で得られた\betaの推定値 $$
$$ s_{\hat{\beta}} :\hat{\beta}の標準誤差 $$
$$ t_\frac{\alpha}{2} :t分布 $$
$$ 1 - \alpha:信頼係数$$
~''信頼区間の式と同じ形''をしていることがわかります。標準...
*** t分布を使う理由 [#ac395e71]
~上の式でt分布は次のように定義されます。
$$t = \frac{\hat{\beta} - \beta}{s_\hat{\beta}}$$
~なぜこんな式で書くことができるのか。回帰係数は標本の取り...
**回帰係数の有意性についての仮説検定 [#e2b9b7dd]
~回帰分析が本当に有効なのか、つまり''xがyに本当に影響を与...
~帰無仮説は\(\beta=0\)、すなわちxがyに影響を与えていない...
***検定統計量はt分布 [#w6016193]
~検定統計量はt分布そのものです。再掲すると
$$t = \frac{\hat{\beta} - \beta}{s_\hat{\beta}}$$
~で、帰無仮説は\(\beta=0\)だから、実際に計算するのはこい...
$$t = \frac{\hat{\beta} - 0}{s_\hat{\beta}}$$
~こいつが棄却域に入れば対立仮説を採用→xがyに影響を与えて...
***P値を使う場合 [#bd4ce1ab]
~t分布をP値に変換すれば仮説検定が分かりやすくなります。と...
~例えば有意水準5%なら、検定統計量が0.05より小さければ帰無...
*第15章 [#ra3d148a]
~様々な平均について触れられています。ここではテキストで「...
**1/n乗 [#sc25b2e7]
~冒頭の幾何平均で
$$\hat{y}_G = (y_1 × y_2 × ... × y_n)^{(\frac{1}{n})}$$
という見慣れない記号 \((\frac{1}{n})\)が出てきます。これ...
~n乗という言い方は皆さん聞いたことあると思います。n回掛け...
$$8^{(\frac{1}{3})}$$
を求めなさい、と言われたら、「3回掛け算して8になる数って...
~感覚的には「なんか重めのルート」だと思っていただければい...
**[] [#mbc3ce40]
~平均増加率のところにある
$$\bar{g} = [(\frac{x_n}{x_0})^{(\frac{1}{n})} - 1]×100$$
~に登場する大きな角カッコ [] には、特別な意味はありません...
~余談になりますが平均増加率の考え方は大事です。例えば資産...
*16章 [#bf1901d9]
~ローレンツ係数とジニ係数について。数学的に捉えにくいとこ...
*17章 [#f1136733]
~二項分布。ここからだんだんと数学的に面倒になってきます。
**ベルヌーイ試行 [#y542ded1]
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