卒業論文 のバックアップ(No.46)


目次

このページを読む前に前提知識として覚えておいてほしいことですが、「卒論指導登録」と「卒論指導申込」とは、それぞれ全くの別物の手続きです。

卒業論文指導登録

  • 以下の要件を満たすと卒業論文指導登録が可能となります。条件を満たしたらすぐに登録しましょう。論文構想や文献収集が一切されていない状態であっても条件さえ満たしていれば登録許可されます。また、卒論指導登録後は図書貸出登録も可能になります。さらに2022年度からは「リモートアクセス」が利用できるようになりました。リモートアクセスにより電子ジャーナル、電子ブック、データベースへのアクセスが可能となります。
    • テキストの配本計画の第3年度配本に入る
    • 総合教育科目の3分野科目合計28単位(テキスト18単位を含む)以上取得済
    • 必修外国語(1ヶ国語)8単位のうち、面接授業(スクーリング)2単位を除く6単位以上(ただし6単位の組合わせに指定あり。塾生ガイド参照。)取得済
    • 総合教育科目合計36単位以上取得済
    • 専門教育科目7単位以上取得済
  • 卒業論文指導登録が許可されたら登録料納入期限までに卒業論文指導登録料20,000円を納入する。(ただし2022年度以降の入学者は授業料に含まれるので卒業論文指導登録料の納入は不要となる。2021年秋までに入学した学生については卒業論文指導登録料が授業料に含まれるのは2026年度以降。)そして次は指導調査票の提出になります。

指導調査票提出

  • 指導調査票に、800-1000字の論文構想と、今までに揃えた文献一覧、法学部なら関連する履修済み科目などをdocファイルやpdfファイルにして添付する。卒論指導登録締め切り日の1か月後までに提出する。
  • 初回卒論指導申し込みについて。初回(定義:指導教員が確定していない状態)卒論指導を申し込んだ際、まずは事務局で形式上の不備がないかチェックされる。提出書類に必須の項目について記載がない場合、事務局から速やかに出し直しするよう連絡がある。形式不備がなかった場合、学籍情報照会に卒論題目が載る。この時点ではまだ「形式不備がなかった」とだけしか分かっておらず、指導区分や指導教員は決まっていない。
  • 卒論指導を受けるための準備不足と判断された場合は再提出や予備指導となり、次の指導調査票提出は半年後となる。つまり卒業が半年遅れる。したがって最短卒業できるかどうかは、この指導調査票の出来にかかっている。
    • 慶應通信生はテーマを絞りすぎる傾向があるといわれている。テーマが狭すぎると論文を書くのが非常に難しくなる。また、メジャーなテーマは先行研究で論じつくされていることが多い。CiNiiなどで論文を調べて先行研究があまりない分野を選ぶと、通りやすい。
      • 絞りすぎるってあんまり聞いたことない。「学問として成立し得ない」という指摘はしょっちゅう聞く(特に経済学部・法学部)。社会人学生がビジネス上の興味をそのまま持ち込もうとし,「それって学問的な答え導けないでしょ?」となるとか。
    • 論文構想の時点で、案を複数出すのもよい。どれが卒論を各テーマとして相応しいか、担当教員が教えてくれるはず。
    • 予備指導になっても、指導の結果本指導に格上げされることがある。格上げされるかどうかは先生の裁量なので、期待しすぎないように。
  • 基本的なポイントとしては
    • 新規性があるのか?(→執筆動機にもつながる)
    • 学問として成立するのか?
    • 先行研究では何が言われているのか?
  • を押さえておくことが望まれる。文献をたくさん読むというよりは、先行研究や関連分野の論文をたくさんサーチして、テーマを決めるのがよい。量が大事で、質はあとで執筆するときについてくる。
    • 論文のストーリーが(正しいかどうかは別として)一通り出来上がっているとさらに良い。
  • 卒論指導を申請するにあたり、自分が執筆するテーマと関連がある科目を担当する教官を、事前に複数名マークしておくとよい(調査票に「○○先生または××先生ご指導希望」等と書いたりするなど)。これは卒論指導開始から卒業試験まで三年くらいはかかることを見越し、はじめから幅広い選択肢を設けておいて、指導において行き詰まることのないようにするためのひとつの手段である。例年、担当教官の定年退職や他の学生指導受け入れのキャパシティーとの兼ね合いがあり、指導担当のたらい回しになる(個人名は挙げられないが、例えば調査書提出→再提出→本指導の扱いでA先生引き受け了承→指導一回して先生より「僕では指導できない」といわれる→再びやりなおし再提出→B先生に予備指導に当たる→なんとか指導できそうとのことで本指導格上げ→2年後卒論完成、卒業試験合格、はじめの調査書提出から5年ほどかかっている学生が存在した)ことを防ぐため。

卒業論文指導

  • 春期と秋期の年2回。提出までに最低3回指導を受けることが必要とされる。
  • 2020/07/29に、2020年秋期はオンライン指導・メール指導で行われると決定された。
  • オンライン指導は主にzoomで行われる。初回指導は集団指導になることがある。
  • 指導日程は先生が直接通知する。連絡が早い先生も、締切ギリギリの先生もいる。連絡先が間違ってなければ必ず連絡は来るので、周りが早々に指導を受けていても焦らないこと。
  • 2021年春期はオンライン指導と対面指導の混合となった。指導教員によって、どちらになるかが決まる。
    • これを書いている人は今期(本指導2回目)もオンライン指導になった。
  • 卒論指導ノートの取扱いが2022年以降変わると事務局から連絡あり。4月以降の学生ガイドを見よ。
    • 2022年度から、卒論指導ノートはダウンロードして印刷することになった。

初回指導(一例)

  • 2人で集団指導。新型コロナウイルスの影響のため、zoomを使いオンライン指導となった。基本的な論文の構成の仕方や、文献や判例の収集方法、メディアセンターの使い方などを丁寧に指導していただいた。
    • 通信生向けメディアセンターガイド https://libguides.lib.keio.ac.jp/correspondence
    • 慶應ID(学外から資料を検索できるなどの特典がある)の付与されない通信制にとってオンラインでできることは限られており、地方の図書館で得られないような資料を検索するためにはメディアセンターに行くしかない。地方民はつらい。
      • 2021年度より通信生にも慶應IDが付与されることとなったが、できることはメールアドレス付与やofficeが使えることなどにとどまり、通信生は引き続きKOSMOSや資料へのアクセスはできないため、状況は変わらなかった。残念。
    • 県立図書館レベルだと、判例検索ができることがある。https://www.knowledge.pref.nagano.lg.jp/collection/database/index.html#04
  • 教授によって違いがあるが、論文を執筆するのにそもそも許可が必要なことがある。目次案を提出し、論文の体をなしていると判断されないと、執筆ができない。

本指導2回目(一例)

  • zoomでオンライン個人指導。指導前の時点で論文執筆許可がでておらず、本文を1文字も書いていない。参考文献のリサーチを進め、実際に多くの文献には目を通し、内容の見当をつけてから望んだ。
  • 指導は終始和やかな雰囲気で進み、先生による目次案へのチェック、論点と話題の広がりをどこまでにするかの指導、文献をそろえるときに役に立つ施設の紹介、最近ホットな判例のご紹介など盛りだくさんで教えていただいた。目次案は大変オーソドックスでよくできています、とお褒めいただき、無事に執筆許可をいただいた。この論点とこの論点は大事なので突っ込んで書こうと思います!と言ったら、いいですね、期待していますと言っていただけました。ちょうど30分間の指導でした。
  • 指導後先生にお願いして、卒業予定申告許可をいただくことができました。

本指導3回目(一例)

  • 2回目の指導でようやく執筆許可が出たため、2022年1月頃から大急ぎで執筆。2022年4月末に初稿が書きあがったので、先生に送付した。
  • まず論文全体をコンパクトにまとめて5分くらいで紹介した(これはそのまんま卒業試験で使えるらしい)。
  • 先生が論文にざっと目を通して、大丈夫そうですね、とのこと。
  • 体裁や、最新の判例に触れられていない点などの指摘をいただく。このあと全部に目を通してコメントをつけていただけるらしい。
  • 指摘された点を直して再提出することを前提として、論文提出許可をいただいた。
    • 先生が多忙のためか、卒論提出締切が10日延びた。

卒業予定申告書

  • 以下の要件を満たすと、卒業予定申告書を提出できる。
    • 総合教育科目の卒業所要単位48単位を修得
    • 専門教育科目35単位(学部ごとの必修科目10単位含む)以上を習得
    • 卒論指導を受けている
    • 卒業予定日までに在学所要年数(学士2年半、特別3年、普通4年)を満たしている
    • 卒業論文の題目が確定している
    • 卒論指導教員の提出許可を受けている(対面指導なら卒業予定申告書への教員からの署名捺印、オンライン指導ならメールでの承認)
  • 卒業予定申告は3月卒業予定なら前年の5月(9月卒業なら前年の10月)に提出する。卒業の約1年前と早い段階で提出するので、忘れると卒業が半年延びる。注意すること。
    • つまり最短卒業を狙うなら、
      • 卒論指導の本指導2回(初回で提出許可を求めるのは不可能ではないが、避けるように塾生ガイドに指示がある。2021年版P124を参照)
      • 総合48単位(学士なら英語8単位のみ)+専門科目35単位(必修10単位を含む)
    • を卒業約1年前の成績発表時(3月卒業なら前年の4月科目試験の成績発表時、9月卒業なら前年の7月科目試験+夏スク成績発表時)に満たしていなければならない。最短卒業のための履修計画を立てるなら、これを目標にするとよい。
  • 卒業予定申告が許可されると、卒業のための各種書類が送付される。卒業論文を提出するためには、卒業予定申告ののち最低1回卒論指導を受けないといけない。
  • 卒業予定申告は、要件を満たしたらすぐに行うべきである。単位が足りない、卒論執筆が間に合わないなどの理由で卒業が伸びても、特にペナルティはない。卒業のための入口の手続き、という位置づけと考える。
  • 先生によっては通信課程に慣れておらず、卒業予定申告のことを忘れていることがあるので、積極的に知らせていった方がいい。
    • これを書いた人は、卒論指導終了後にあわてて卒業予定申告のことを先生にメールし、なんとかOKをいただいた。

卒業論文提出

  • 提出には指導教官の許可と、総合48単位・専門60単位が必要。ここまで来た人なら単位は大体の人は足りていると思われる。
  • 秋卒業の場合、6月末が〆切。
  • 製本は生協に頼むと4,950円でペンマーク入りの立派なものを作ってもらえる。でも提出用の卒論は返ってこないかもしれないので、アクセアの250円のプランで十分という声もある。生協の製本は自分のための保存用に良いかも。
    • 提出した卒論は大体は返ってくる
  • 表紙と背表紙は折れ曲がらないものにするよう指定がある(ガイド2022、P168)。普通紙ではだめかもしれない。
  • 表紙に紙提出レポートみたいな提出票を貼る。豪華な製本にするとちょっともったいない。
  • 800字の要約を作って3枚添付する。

提出期間の延長

卒論指導が遅れるなどの理由で、担当の先生が提出期間を延長してくれることがある。この場合でも、卒論本体と要約以外は期日までに提出しなければいけない。

なお、通常は消印有効だが、期限が延長された場合は必着に変わるので注意。期限が日曜日のこともある。

一例

6月中の修正を前提とした提出許可をいただいてから、6/18に大量に赤の入った卒論をいただく。全速力で修正し、6/27に提出。6/29に印刷・提出OKをいただいた。

6/30消印有効の所、卒論本体と要約のみ先生の計らいで7/10必着に延長。しかし7/10は日曜のため、実質7/8が期限となった。7/6に無事提出。

卒業試験

  • 春卒業なら1月頃、秋卒業なら8月頃?
    • 3月卒業なら1月下旬,9月卒業なら9月下旬。→8月下旬まで夏スクあるので仕方ない。
    • 9月卒業はこの影響で,卒業決定の通知が10月中旬~下旬になる
  • 主査の先生と、副査の先生の2人で試験?
    • 指導教員が主査を務め,副査1名との計2名。ちなみに副査は論文は読んでおらず,事前に提出する概要を読んでれば御の字。
  • 時間はどのくらい?
    • だいたい60分程度。20分くらい論文の説明をし,その後質疑応答。最後に当該領域の一般的知識に関する質疑応答が入る場合もある。
      • 例えば知的財産法なら、知財法そのものはもちろん基礎となっている民法・民訴・行政法も要復習(と言われました)。
    • ちなみに,経済学部において「市場」を「イチバ」と読んで不合格食らったという都市伝説がある。(正しくは「シジョウ」)
  • よく,プレゼン用のパワーポイントを作る人を見かけるが,試験で使用できるかどうかは指導教員にキチンと確認しておくこと。論文概要以外は一切認めませんという教員も普通にいる。ていうかパワポ使って良いとされる方が少数派。
    • ちなみに追記した人はハナから作らなかった。
  • 受験できるのは二回まで。二回不合格になると在籍はできるが卒業はできない扱い、すなわち退学となる(塾生ガイド参照)。

一例

  • コロナ禍のためzoomで実施された。
  • 副査の先生は論文に引用した判例百選の記事の執筆者だった。
  • 全部で30分。はじめに論文の趣旨を10分程度で解説した後、主査と副査の先生から口頭試問があった。
  • 法甲なので関連法を復習しておくようにと言われていたが、法律に関する問は出題されず、2人とも論文に関する質問だった。
    • 先行研究と比較して論文の新しい点はどこにあると考えているか、答えてください。
    • 論文に出てきた〇〇という論点について、あなたはどう評価しているか。法的観点と、職業上の見地から答えてください。
  • 口頭試問後は、卒業要件の単位が足りているのかどうかなどを聞かれた。
  • お褒めの言葉をいただき、解散。

参考

  • 夏スクの時、日吉キャンパス第4校舎B棟の法学部掲示板の下に「法律学研究」「政治学研究」が山積みになっていて、通学生の優秀卒業論文がまとめられていました。法学部の方は大いに参考になるはずです。
    • 全編英語の論文もある。学部生なのにすごすぎ
    • 特に、書き方のフォーマット、作法、参考文献の引用方法に注目
  • 三田にも論文集がありました。西校舎入ってすぐ右の掲示板下にあります。
  • 卒業論文は4-6万字がボリュームゾーンであるとのこと。
    • ↑長すぎないか?学部によっては簡潔が要求され、2万字台のことも。
    • ↑長い。2-4万字くらいではないか。
    • 文学部の卒論指導の教授に聞いたところ、通学生は2万時程度、通信制は4万字程度が多いとのこと。あまり多く書きすぎると製本できなくなるのでそこら辺も考えて書くようにと指導あり。
    • 逆に10万字超の人もいる。