卒業論文 のバックアップ(No.102)


目次

このページを読む前に前提知識として覚えておいてほしいことですが、「卒論指導登録」と「卒論指導申込」とは、それぞれ全くの別物の手続きです。

卒業論文指導登録

  • 卒業論文指導は、春期と秋期の年2回。提出までに最低3回指導を受けることが必要なので、最低1年半かかる。その前に卒論指導登録があるので、卒業する時期の2年前には、卒業論文指導登録をしないとならない。学士入学の人は、卒論はまだ先のことと考えると、早々に最短卒業が不可能になってしまうので、特に、要注意。SNSを見ると、最短卒業のルートから脱落した人は大多数。学士入学の春入学の場合、1月上旬までに卒業論文指導登録に必要な単位を取るよう計画しないと、最短卒業ルートから脱落する恐れあり。卒業論文はまだまだ先と思いがちだが、1年目から計画を立てる必要あり。 春期と秋期の年2回。提出までに最低3回指導を受けることが必要とされる。
  • 慶應通信において、単位を揃えること以上に卒業論文はハードルが高い。最短卒業ペースの人でも、卒論の進捗が良くなく、平気で半年、1年、それ以上卒業が遅れる人もいる。特に、卒論の場合、頑張る方向を間違ってしまうと、半年遅れてしまう。最初は科目試験しか気が回らないと思いますが、単位が余裕が出てから卒論というやり方だと結構卒業が遅れます。
  • 以下の要件を満たすと卒業論文指導登録が可能となります。条件を満たしたらすぐに登録しましょう。論文構想や文献収集が一切されていない状態であっても条件さえ満たしていれば登録許可されます。また、卒論指導登録後は図書貸出登録も可能になります。さらに2022年度からは「リモートアクセス」が利用できるようになりました。リモートアクセスにより電子ジャーナル、電子ブック、データベースへのアクセスが可能となります。
    • テキストの配本計画の第3年度配本に入る
    • 総合教育科目の3分野科目合計28単位(テキスト18単位を含む)以上取得済
    • 必修外国語(1ヶ国語)8単位のうち、面接授業(スクーリング)2単位を除く6単位以上(ただし6単位の組合わせに指定あり。塾生ガイド参照。)取得済
    • 総合教育科目合計36単位以上取得済
    • 専門教育科目7単位以上取得済
  • 卒業論文指導登録が許可されたら登録料納入期限までに卒業論文指導登録料20,000円を納入する。(ただし2022年度以降の入学者は授業料に含まれるので卒業論文指導登録料の納入は不要となる。2021年秋までに入学した学生については卒業論文指導登録料が授業料に含まれるのは2026年度以降。)そして次は指導調査票の提出になります。

指導調査票提出

  • 指導調査票に、800-1000字の論文構想と、今までに揃えた文献一覧、法学部なら関連する履修済み科目などをdocファイルやpdfファイルにして添付する。卒論指導登録締め切り日の1か月後までに提出する。
  • 卒論指導は、全員が受けられない。レポートのようなノリで不合格なら再提出すればいいという考えは卒論ではダメ。再提出になると、容赦なく半年卒業が遅れる。科目試験の単位よりも重いのが卒論。科目試験の単位はスクをフル活用すれば、ある程度挽回できるが、卒論は再提出になると、半年遅れ、後から頑張っても卒業は遅れた分は早まらない。挽回はできない。かなり厳しい制度。最短卒業を狙う人は卒論の作戦は早いうちに考えるべき。
  • 第2回の指導の時には、卒業予定申告書を出す関所がある。指導教官に提出の許可をもらう場面であるが、更に、所定の単位を満たす必要がある。直前になっても単位は揃わないので、計画に単位を揃えよう。特に必須科目系は取りこぼしていると卒業が普通に送れる。
  • 調査票自体は記載量が少ないので手抜きも幾らでもできてしまうが、それをやると、再提出になります。忙しい大学教員が面着で打ち合わせしてもらうための書類ですので、普段のレポートの数科目分ぐらいの時間はかけて提出した方がいいです。余りにも漠然としていると、予備指導か再提出になります。論文作成の一般論は事前に調べて、一般論に基づいて調査票を提出しましょう。塾生ガイドにも、しっかりとした準備を求めている注意書きがあることからも、教員側も完成度が低いので、相当苦々しく思っているのがわかります。
  • 学士以上なら卒論や論文を書いたことがあるので大丈夫だろうが、卒論を書いたことがない人は、論文の書き方に関する本は一冊は読んでおくべき。レポートとは違うので、レポートと同じノリでやると、再提出になって卒業が遅れる恐れが出る。重要なのは、先行研究の調査と、その先行研究にはない「新規なテーマ設定」。既にテーマ設定されていると思われる内容だと再提出になりかねない。
  • 初回卒論指導申し込みについて。初回(定義:指導教員が確定していない状態)卒論指導を申し込んだ際、まずは事務局で形式上の不備がないかチェックされる。提出書類に必須の項目について記載がない場合、事務局から速やかに出し直しするよう連絡がある。形式不備がなかった場合、学籍情報照会に卒論題目が載る。この時点ではまだ「形式不備がなかった」とだけしか分かっておらず、指導区分や指導教員は決まっていない。
  • 先生によっては、半年に1回の指導以外の時間でも指導してくれる人もいるが、これは任意。更に、同じ先生でも、そういう声掛けをしてもらえる学生とそうでない学生もいる。それ以前に指導対象外と見做されてしまう場合もある。このため、第1回の指導はかなり大事。何となく適当に書いて出してしまうと、指導が大変と思われてしまうので、気合入れて挑みましょう。本指導時に他の学生さんがやるべきことをやってないで指導に来ると、ちょっと愚痴を仰っていました。
  • 卒論指導を受けるための準備不足と判断された場合は再提出や予備指導となり、次の指導調査票提出は半年後となる。つまり卒業が半年遅れる。したがって最短卒業できるかどうかは、この指導調査票の出来にかかっている。事務局の案内では、準備不十分な提出に対して、注意喚起がなされているが、自信がないからと安易に1回見送ると、卒業が半年遅れるので、果敢にトライした方がいい。それなりに準備しても予備指導になるので、何らかのフィードバックをもらった方が先に進める。もちろん、忙しい教授の時間を奪うことにはなるので、真摯に提出することは当然心掛けるべきではある。
    • 慶應通信生はテーマを絞りすぎる傾向があるといわれている。テーマが狭すぎると論文を書くのが非常に難しくなる。また、メジャーなテーマは先行研究で論じつくされていることが多い。CiNiiなどで論文を調べて先行研究があまりない分野を選ぶと、通りやすい。
      • 絞りすぎるってあんまり聞いたことない。「学問として成立し得ない」という指摘はしょっちゅう聞く(特に経済学部・法学部)。社会人学生がビジネス上の興味をそのまま持ち込もうとし,「それって学問的な答え導けないでしょ?」となるとか。
      • 私のケースでは、むしろ、ディーテイルに拘って欲しいと言われている。「絞るのはいいね」とまで言われている。それは、テーマの新規性が出るから。大学の先生は論文を書くのが仕事だが、その論文は新規性がないと全く価値がない。テーマを広げると新規性がなくなるので、余り広げるのは危険だと思う。絞ってダメと言われているケースは、絞ったことがダメなのではなく、マニアック過ぎて、その研究する意義が伝わってないとかではないでしょうか。学会論文などを見ればわかりますが、画期的な世紀の発見とかでない限り、かなり絞っているのが普通です。
    • 論文構想の時点で、案を複数出すのもよい。どれが卒論を各テーマとして相応しいか、担当教員が教えてくれるはず。
    • 予備指導になっても、指導の結果本指導に格上げされることがある。格上げされるかどうかは先生の裁量なので、期待しすぎないように。
    • 指導してもらって、手取り足取り教えてもらうみたいな受け身の姿勢ではうまくいかない。過去の論文を読んで、それに沿って、自分なりの構想を作って、課題があったとしても、自分なりに解決策を提示して、アドバイスをもらう姿勢が大事。あれもこれも教えてくださいという姿勢だと、準備不足で終わる可能性あり。
  • 基本的なポイントとしては
    • 新規性があるのか?(→執筆動機にもつながる)
    • 学問として成立するのか?
    • 先行研究では何が言われているのか?

を押さえておくことが望まれる。文献をたくさん読むというよりは、先行研究や関連分野の論文をたくさんサーチして、テーマを決めるのがよい。量が大事で、質はあとで執筆するときについてくる。

経済学部の場合、必ずしも量が求められているとは限らない。むしろ、質が求められれている印象。経済学部の場合、データ分析して論文を書くことが多いが、このような場合、表面的に沢山論文を読むよりも、自分のテーマに近い2~3個の論文をしっかりと読み、その論文に記載されているデータ分析手法を身に着けることの方が要求される。そうしないと、到底データ分析ができず、正しい結論を導き出せないからである。

レポートと大きく異なるのは、テーマの新規性を述べる必要があることである。少なくとも、このテーマは今まで調査されてなさそうだなと思ってもらう説明が必要。例えば、最近起きた出来事と結び付けると、テーマの新規性は出る。少し前の話になるが、コロナなどはその例として挙げられるであろう。

  • 論文のストーリーが(正しいかどうかは別として)一通り出来上がっているとさらに良い。
  • 卒論指導を申請するにあたり、自分が執筆するテーマと関連がある科目を担当する教官を、事前に複数名マークしておくとよい(調査票に「○○先生または××先生ご指導希望」等と書いたりするなど)。これは卒論指導開始から卒業試験まで三年くらいはかかることを見越し、はじめから幅広い選択肢を設けておいて、指導において行き詰まることのないようにするためのひとつの手段である。例年、担当教官の定年退職や他の学生指導受け入れのキャパシティーとの兼ね合いがあり、指導担当のたらい回しになる(個人名は挙げられないが、例えば調査書提出→再提出→本指導の扱いでA先生引き受け了承→指導一回して先生より「僕では指導できない」といわれる→再びやりなおし再提出→B先生に予備指導に当たる→なんとか指導できそうとのことで本指導格上げ→2年後卒論完成、卒業試験合格、はじめの調査書提出から5年ほどかかっている学生が存在した)ことを防ぐため。
  • 指導教授が全てを知っている前提で探すのは難しいということも理解しておくこと。指導教授によって指導してもらわなくてもいい部分と、指導してもらいたい部分を事前に切り分けて、指導してもらいたい部分を主に指導してもらうことが大事。例えば、題材とする研究テーマに詳しい先生か、それともデータ分析の理論手法に詳しい先生か等わかれる。例えば、データ分析に詳しくない先生だと、自分でデータ分析は勉強してくださいとなるので、要注意。

卒業論文指導

  • 春期と秋期の年2回。提出までに最低3回指導を受けることが必要とされる。
  • 指導が3回といっても、各回にハードルがある。第3回目までに卒論が書ければいいという姿勢はNGで最後の駆け込みは許されない。第1回は、本指導になるか否か。準備不足だと予備指導になる。ここで苦労する人も多い。第2回も、卒業予定申告をする許可をもらえるかという関所がある。準備不足だと、ここでも、NGになる。第3回は、卒論提出の許可がもらえるか否か。このように、最後に卒論を駆け込めばいいなんていうやり方は通用せず、一回一回がしっかりと審議されるので、全力投球でいこう。
  • 2020/07/29に、2020年秋期はオンライン指導・メール指導で行われると決定された。
  • オンライン指導は主にzoomで行われる。初回指導は集団指導になることがある。
  • 指導日程は先生が直接通知する。連絡が早い先生も、締切ギリギリの先生もいる。連絡先が間違ってなければ必ず連絡は来るので、周りが早々に指導を受けていても焦らないこと。
  • 2021年春期はオンライン指導と対面指導の混合となった。指導教員によって、どちらになるかが決まる。
    • これを書いている人は今期(本指導2回目)もオンライン指導になった。
  • 卒論指導ノートの取扱いが2022年以降変わると事務局から連絡あり。4月以降の学生ガイドを見よ。
    • 2022年度から、卒論指導ノートはダウンロードして印刷することになった。
    • 2022年度から、卒論指導ノートは提出不要になり、ただのメモ用紙と化した。

予備指導(一例)

  • 教員が審査した結果、テーマが大きすぎる、内容に2つ以上のテーマが含まれているなどの理由から、本指導を受けるには準備不足と判断された場合に、論文指導を受けられるレベルに達することを目的として実施する予備指導となる。SNSを見ていると、結構な人が予備指導となっている。最初は科目試験で単位を取ることに夢中となり、卒論はまだまだ先のことと考えがちであるが、予備指導となると、卒業が半年遅れるので、卒論は早めに着手した方がいい。
  • 卒論に着手し出してから、卒業期間に大きく影響与えるのは、科目試験よりも卒業論文であることに予備指導になって気づいた。科目試験は後から頑張って6科目単位取れば挽回できるが、卒業論文は遅れても挽回が困難。通学の一般的な大学の卒論よりも必要な期間が長いことに留意すること。
  • 予備指導から本指導に切り替わった(経済学部)。予備指導候補となった理由は、既に類似論文が沢山ありそうなテーマと思われたため。最近の動向を踏まえて、新しい動きがあることを軸に説明したら、面白いテーマと言われて、本指導に切り替えられた。また、打ち合わせでは、「指導するのが私で良いかも含めて議論することが大事」ということを指摘され、余り人任せの姿勢だと、指導してもらえないのかなという感じを受けた。指導教授におんぶ抱っこではなく、「なぜそのテーマが過去やられていないと思うのか」、「そのテーマでどのように調査・分析を行うのか」、「それによる成果はどのような価値があるのか」といった視点でまとめると、本指導になりやすいのではないかと思う。
  • 予備指導の人は、本指導に切り替わる可能性があるので、初回指導で褒められる等して好評だった場合には、本指導になったか確認すること。通信の制度に慣れてない先生は、本指導に相応しいと感じていても、本指導に切り替えるということは言ってくれない。なお、私は未確認だったものの、「よく考えているので卒論書けそうですね」と言われたので本指導だろうと判断し、そのまま本指導に切り替わった前提で手続きをしたが、これでいいのか最後まで不安が残った。

初回指導(一例)

  • 2人で集団指導。新型コロナウイルスの影響のため、zoomを使いオンライン指導となった。基本的な論文の構成の仕方や、文献や判例の収集方法、メディアセンターの使い方などを丁寧に指導していただいた。
    • 通信生向けメディアセンターガイド https://libguides.lib.keio.ac.jp/correspondence
    • 慶應ID(学外から資料を検索できるなどの特典がある)の付与されない通信生にとってオンラインでできることは限られており、地方の図書館で得られないような資料を検索するためにはメディアセンターに行くしかない。地方民はつらい。
      • 2021年度より通信生にも慶應IDが付与されることとなったが、できることはメールアドレス付与やofficeが使えることなどにとどまり、通信生は引き続きKOSMOSや資料へのアクセスはできないため、状況は変わらなかった。残念。
    • 県立図書館レベルだと、判例検索ができることがある。https://www.knowledge.pref.nagano.lg.jp/collection/database/index.html#04
  • 教授によって違いがあるが、論文を執筆するのにそもそも許可が必要なことがある。目次案を提出し、論文の体をなしていると判断されないと、執筆ができない。
  • 経済学部の指導では、必須科目の知識を試すような質疑がなされた。トービンのqや統計学の分析など。また、計量経済学を身に着けていることも期待されることもある。

本指導2回目(一例)

  • zoomでオンライン個人指導。指導前の時点で論文執筆許可がでておらず、本文を1文字も書いていない。参考文献のリサーチを進め、実際に多くの文献には目を通し、内容の見当をつけてから望んだ。
  • 指導は終始和やかな雰囲気で進み、先生による目次案へのチェック、論点と話題の広がりをどこまでにするかの指導、文献をそろえるときに役に立つ施設の紹介、最近ホットな判例のご紹介など盛りだくさんで教えていただいた。目次案は大変オーソドックスでよくできています、とお褒めいただき、無事に執筆許可をいただいた。この論点とこの論点は大事なので突っ込んで書こうと思います!と言ったら、いいですね、期待していますと言っていただけました。ちょうど30分間の指導でした。
  • 指導後先生にお願いして、卒業予定申告許可をいただくことができました。
  • 1回目の指導の後に、こまめに連絡を取りながらやりましょうと言って頂いたのに、科目試験対策が大変で完全にその機会を作らず、独自で資料を作って2回目の指導に突入。流石に3回目の指導までは怖いので、連絡してくださいとの言葉を頂いた。
  • 2回目の指導の際には、卒論の骨子(目次)を作った。また、2回目は、卒業予定申告をする必要があるので、題目は完全に固まる程度には骨子を固める必要がある。題目が固定されるということは、卒論の骨子も作っている必要があり、データなどが完全に揃ってないとしても、自分なりに確度が高い仮説を作って、最後の結論もある程度作れている必要がある。詳細を詰めるのは3回目まででいいが、2回目には、卒論の骨子ができていることが望ましい。自分の場合は、ワード10数ページ、パワーポイント20頁の資料を作って1時間ほど議論を行った。
  • 主査だけでなく副査の方も審査するので、質疑に応えられるように、指導を受けてない部分も自分なりに応えられるようにする旨のアドバイスをもらった。
  • 経済学部の場合、計量経済学は必須の考えでいる先生もいる。それもテキスト科目の計量経済学は当然に見つけた上で、更に発展的な論文に適した理論を身に着けることのアドバイスを頂いた。
  • 1回目の指導では、テーマの新規性がありそうな話で進んでいたが、2回目でテーマの新規性について再度の議論になった。先行研究が不十分でテーマ設定を誤ると、再度のやり直しになるリスクを感じた。
  • 学士入学で順調に指導を受けている人は、2回目の指導もOKなら繰上げ配本も申請できるようになるので、忘れずに。

本指導3回目(一例)

  • 2回目の指導でようやく執筆許可が出たため、2022年1月頃から大急ぎで執筆。2022年4月末に初稿が書きあがったので、先生に送付した。
  • まず論文全体をコンパクトにまとめて5分くらいで紹介した(これはそのまんま卒業試験で使えるらしい)。
  • 先生が論文にざっと目を通して、大丈夫そうですね、とのこと。
  • 体裁や、最新の判例に触れられていない点などの指摘をいただく。このあと全部に目を通してコメントをつけていただけるらしい。
  • 指摘された点を直して再提出することを前提として、論文提出許可をいただいた。
    • 先生が多忙のためか、卒論提出締切が10日延びた。
  • 9月卒業予定で、4月中旬に5月末の日程調整の連絡がきた。指導申込から作業を日々やってましたが、破綻したりして、全然終わってなくて焦りました。
  • 執筆許可などは特にもらってないが、書き始めて不足がわかる点などもあり、卒論として書き始め、指導を受けた。

卒業予定申告書

  • 以下の要件を満たすと、卒業予定申告書を提出できる。
    • 総合教育科目の卒業所要単位48単位を修得
    • 専門教育科目35単位(学部ごとの必修科目10単位含む)以上を習得
    • 卒論指導を受けている
    • 卒業予定日までに在学所要年数(学士2年半、特別3年、普通4年)を満たしている
    • 卒業論文の題目が確定している
    • 卒論指導教員の提出許可を受けている(対面指導なら卒業予定申告書への教員からの署名捺印、オンライン指導ならメールでの承認)
  • 卒業予定申告は3月卒業予定なら前年の5月(9月卒業なら前年の10月)に提出する。卒業の約1年前と早い段階で提出するので、忘れると卒業が半年延びる。注意すること。
    • つまり最短卒業を狙うなら、
      • 卒論指導の本指導2回(初回で提出許可を求めるのは不可能ではないが、避けるように塾生ガイドに指示がある。2021年版P124を参照)
      • 総合48単位(学士なら英語8単位のみ)+専門科目35単位(必修10単位を含む)
    • を卒業約1年前の成績発表時(3月卒業なら前年の4月科目試験の成績発表時、9月卒業なら前年の7月科目試験+夏スク成績発表時)に満たしていなければならない。最短卒業のための履修計画を立てるなら、これを目標にするとよい。
  • 卒業予定申告が許可されると、卒業のための各種書類が送付される。卒業論文を提出するためには、卒業予定申告ののち最低1回卒論指導を受けないといけない。
  • 卒業予定申告は、要件を満たしたらすぐに行うべきである。単位が足りない、卒論執筆が間に合わないなどの理由で卒業が伸びても、特にペナルティはない。卒業のための入口の手続き、という位置づけと考える。
  • 先生によっては通信課程に慣れておらず、卒業予定申告のことを忘れていることがあるので、積極的に知らせていった方がいい。
    • これを書いた人は、卒論指導終了後にあわてて卒業予定申告のことを先生にメールし、なんとかOKをいただいた。
    • 卒業予定申告のフォーマットや手続は学生から用意すること。先生は通信課程の学生をさほど見ていないケースもあるので、学生から先生に制度説明するぐらいの気持ちで準備することが望ましい。

卒業論文提出

  • 提出には指導教官の許可と、総合48単位・専門60単位が必要。ここまで来た人なら単位は大体の人は足りていると思われる。
  • 秋卒業の場合、6月末が〆切。
  • 製本は生協に頼むと4,950円でペンマーク入りの立派なものを作ってもらえる。でも提出用の卒論は返ってこないかもしれないので、アクセアの250円のプランで十分という声もある。生協の製本は自分のための保存用に良いかも。
    • 提出した卒論は大体は返ってくる
  • 表紙と背表紙は折れ曲がらないものにするよう指定がある(ガイド2022、P168)。普通紙ではだめかもしれない。
  • 表紙に紙提出レポートみたいな提出票を貼る。豪華な製本にするとちょっともったいない。
  • 800字の要約を作って3枚添付する。

提出期間の延長

卒論指導が遅れるなどの理由で、担当の先生が提出期間を延長してくれることがある。この場合でも、卒論本体と要約以外は期日までに提出しなければいけない。

なお、通常は消印有効だが、期限が延長された場合は必着に変わるので注意。期限が日曜日のこともある。

一例

6月中の修正を前提とした提出許可をいただいてから、6/18に大量に赤の入った卒論をいただく。全速力で修正し、6/27に提出。6/29に印刷・提出OKをいただいた。

6/30消印有効の所、卒論本体と要約のみ先生の計らいで7/10必着に延長。しかし7/10は日曜のため、実質7/8が期限となった。7/6に無事提出。

卒業試験

  • 春卒業なら1月頃、秋卒業なら8月頃?
    • 3月卒業なら1月下旬,9月卒業なら9月下旬。→8月下旬まで夏スクあるので仕方ない。
    • 9月卒業はこの影響で,卒業決定の通知が10月中旬~下旬になる
  • 主査の先生と、副査の先生の2人で試験?
    • 指導教員が主査を務め,副査1名との計2名。ちなみに副査は論文は読んでおらず,事前に提出する概要を読んでれば御の字。
  • 時間はどのくらい?
    • だいたい60分程度。20分くらい論文の説明をし,その後質疑応答。最後に当該領域の一般的知識に関する質疑応答が入る場合もある。
      • 例えば知的財産法なら、知財法そのものはもちろん基礎となっている民法・民訴・行政法も要復習(と言われました)。
    • 自分は試験時間40分弱。場所は研究室棟の会議室。まず形式的に名前と生年月日を聞かれ、学生証を見せて確認。前半は論文の説明(10分ほど)と質疑応答。簡単なハンドアウトをお配りした。卒論について主査、副査から全部で2〜3問ほど質問された。後半は、総合口頭試問。聞かれたことは「印象に残った科目は何か?」、「慶應で何を学んだか?」など、割と一般的な内容。加えて対象領域に関してざっくり大きめの質問が副査からあった。終始和やかでリラックスした雰囲気でした。
    • ちなみに,経済学部において「市場」を「イチバ」と読んで不合格食らったという都市伝説がある。(正しくは「シジョウ」)
  • よく,プレゼン用のパワーポイントを作る人を見かけるが,試験で使用できるかどうかは指導教員にキチンと確認しておくこと。論文概要以外は一切認めませんという教員も普通にいる。ていうかパワポ使って良いとされる方が少数派。
    • ちなみに追記した人はハナから作らなかった。
  • 受験できるのは二回まで。二回不合格になると在籍はできるが卒業はできない扱い、すなわち退学となる(塾生ガイド参照)。

一例

  • コロナ禍のためzoomで実施された。
  • 副査の先生は論文に引用した判例百選の記事の執筆者だった。
  • 全部で30分。はじめに論文の趣旨を10分程度で解説した後、主査と副査の先生から口頭試問があった。
  • 法甲なので関連法を復習しておくようにと言われていたが、法律に関する問は出題されず、2人とも論文に関する質問だった。
    • 先行研究と比較して論文の新しい点はどこにあると考えているか、答えてください。
    • 論文に出てきた〇〇という論点について、あなたはどう評価しているか。法的観点と、職業上の見地から答えてください。
  • 口頭試問後は、卒業要件の単位が足りているのかどうかなどを聞かれた。
  • お褒めの言葉をいただき、解散。

(2024年前後法学部既卒情報paganus)パワポ作成は自分の論文を振り返って要約できるので便利。当日もシレっと先生に渡せば参照してくれる。密室なんで先生次第でいくらでも対応してくれる。事務局は詳細は関与してない。事務局は指導ノートと論文本体の行方くらいだろう。質疑応答では副査の先生から論文の手を抜いたところを責められた。まあ然もありなんという指摘。当然に答えに窮する。適当に答えると主査から助け船。ここでも期待値を下げるのが功を奏する。まあ通信ではこんなもんでしょうという対応をしていただく。副査の厳しい質問を主査がいなしていくという、ありがたい試験であった。論文要旨プレゼン、質疑応答、成績表を見ながら雑談。成績が良いなら表彰もという話があるが、残念ながら成績は並。

参考

  • 夏スクの時、日吉キャンパス第4校舎B棟の法学部掲示板の下に「法律学研究」「政治学研究」が山積みになっていて、通学生の優秀卒業論文がまとめられていました。法学部の方は大いに参考になるはずです。
    • 全編英語の論文もある。学部生なのにすごすぎ
    • 特に、書き方のフォーマット、作法、参考文献の引用方法に注目
  • 三田にも論文集がありました。西校舎入ってすぐ右の掲示板下にあります。
  • 卒業論文は4-6万字がボリュームゾーンであるとのこと。
    • ↑長すぎないか?学部によっては簡潔が要求され、2万字台のことも。
    • ↑長い。2-4万字くらいではないか。
    • 文学部の卒論指導の教授に聞いたところ、通学生は2万時程度、通信生は4万字程度が多いとのこと。あまり多く書きすぎると製本できなくなるのでそこら辺も考えて書くようにと指導あり。
    • 逆に10万字超の人もいる。
    • 管理人は34000字でした。
  • 慶應通信卒業生の有志が「卒業論文作成マニュアル」のpdfファイルを作成してくれています。下記がマニュアルのダウンロード先になります。
  • 卒論執筆となると参考文献として多くの学術論文を確認する必要がある。でも、専門雑誌はなかなか近隣の図書館にはない場合が多い。慶應のメディアセンターにちょくちょく通える距離に住んでいる人ならいいが、地方に住んでいる場合は文献集めが難しい。そんなとき、国立国会図書館(東京本館・関西館)の「遠隔複写サービス」が役に立つので必要に応じて利用されたらと思います。国会図書館のみならず、地方自治体レベルの拠点図書館で同様のサービスを行っているところもあります(例:奈良県立図書情報館)。結構便利でした。
  • 慶應のペンマーク・エンブレム・三色旗・ロゴ等を使用する場合、慶應のWebpageでロゴやマークの「使用許可申請」ができます。
  • (2024年時点の情報): 9月卒業の場合、卒論提出は6月末(消印有効)。卒業試験は9月実施。卒業通知は10月下旬受領(特定記録郵便で(1)卒業判定通知書、(2)学位記の受取と卒業式についての案内、(3)塾員センターからの案内のA4三枚のみ同封)。卒業通知を受け取ったら学生証を郵送で大学に返却(学位記は学生証と交換することで得られるという形になっている)。学位記は11月中旬にレターパックで自宅に郵送される。なお、KCC-Channelには10月初めにアクセスできなくなった。
    (2024年前後法学部既卒情報paganus)近年では家からデータベースにアクセスできる。有斐閣など(百選とか)はオンラインで全文見れるようになっている(時間制限があるが)それでも入手出来ない場合、メディアに行くというスタイルになるかと思う。レポート作成時と同じ。文字数は涼しい顔して2万字程度で収めるのが楽するコツ。論文の体裁を為すことが卒業の秘訣。内容よりも体裁を為すことを重視すべし、手を抜くところは抜く。参考文献は基本書ベースで、有斐閣や信頼の置ける雑誌論文や記事を使うこと。思想の強い雑誌などがあるので、注意すること。指導教授のリサーチマップから経歴を確認する。同じ主題で書くと細かい指摘がされることが予想されるため、周辺研究にかする感じが良い。戦略を立てること。自分が営業マンであると仮定して、客先が先生であるとイメージする。注文をいただくには、どのように口説けばいいか、どう自分の論文や論点をPRするか、そんな感じのことを考えたらいい。赤が入ったら全て従属して直し、お客様にプラスアルファをプレゼントすること。つまり、指摘と違う部分もブラッシュアップ。こんな感じで適当に書いているつもりだが、このように書いた論文(文字数2万字程度)は先生に回収され、今後の学生の参考にするとのこと。最低ラインの論文の参考用かもしれないが(笑)。製本は市販の製本キットをフリマで購入して対応した。1000円くらい? すべて先生次第のことが多すぎる。先生がルールブックなので、心してかかること。